子供の時、ラーメンを食べながら果てしなく見つめた、どんぶりの内側の渦巻き。果物や種子や花びらの奥深くなど、いたるところに存在する曼陀羅・・・。

 私が子供の頃、『変わり玉』という飴がありました。白くてただ丸い飴なのに、なめていると赤くなったり、青くなったり。気の短い私は悠長になめていることができずにいつも途中で齧って割ってしまいましたが、その断面には波紋のような色の輪がゆらゆらと渦巻いて奥へ奥へと続いているのです。まるで永遠の国につながる地図のように。

 そういう永遠探しを趣味(?)としていた子供の頃の私には、天井の木目やら、お風呂のタイルやら、知り合いの家の階段に使われていたモザイクやら、飽きずに見つめた大好きなものがたくさんありました。そういうものが、今の私の絵の元になっている気がします。

 常々感じている生命の不思議さや、万華鏡のように移ろいやすい世界の姿、そして喜びに満ちた生を感じていただけたら幸です。